NAVERまとめで作った記事の残骸を保存したものと読書の記録

NAVERまとめをエクスポートした記事と読書の記録

火星占星術講座

ルドルフ・シュタイナーは、金星はミクロコスモスへの誘い、火星はマクロコスモスへの誘いと説明しています。朝目覚めたときに、私たちは自分の体と同化します。身体には感覚が備わっており、この感覚を通して、私たちは目覚めた後のこの世界を見たり、触ったり、味わったりします。

シュタイナーの説明によると、この感覚を通して見ることのできる小さな世界、ミクロコスモスへと金星が誘導し、この中で水星が夢見、月が行動する役割であるとしています。ミクロコスモスの中で、さまざまな可能性を探求し、考えていくのは水星ですから、これをミクロ世界において夢見とみなしたのです。

昼の活動が終わり、夜、疲れ果てた私たちは眠りにつきます。ここで私たちの実体は身体から離れてゆくと考えられています。身体と感覚は結びついていますから、身体から離れるにつれて感覚も働かなくなり、これまで見ていた小さな世界、ミクロコスモスを見たり触ったりすることができなくなります。

火星は地球の外、すなわち身体から外の大きな宇宙へと誘います。これがマクロコスモス、人間個体を超えた世界への旅の始まりです。

そしてこのマクロコスモスでの夢見が木星、そこでの行動が土星だと解釈されています。(10-11)

 

この一人の人が金星も火星も発揮することの重要性は、もっと大きな意味も含んでいます。占星術では、10個の惑星全部をあわせて一人の人間を構成していると考えます。未熟な人間というのは、これらの惑星が意味する作用を全部、自分の外に、環境に投げ出して生きている人です。成長するとは、その一つ一つを取り戻して自分のものとする。そして、依存しない、人のせいにしないという人生を作り出していくということです。

火星を取り戻しておらず、外界に依存している人は、この火星のような作用に対してまったくコントロールできない状況に陥ります。まず、人から迷惑をかけられやすいのです。(18-19)

 

火星の作用がまだちゃんと体に合っていないという点では、この牡羊座の火星はあまり通俗的でもないし、また前に住んでいた宇宙の記憶が無意識に残っているという点から、直感的な理解力が鋭く、なんとなく世離れしている面があります。妥協もせず、損得も考えることもしないでしょう。(34)