「秘められた自由の心ーカリフォルニアのチベット仏教」(タルタン・トゥルク著)
私たちの否定的な性質を見ると同時に、自分の経験を豊かにし心を浄化する能力を
認識し始めます。私たちは瞑想によって心の治癒能力を開発することができ、
ついには私たちの貧しい思考と行動のパターンを開放の広がりへと転換することが
できます。(29)
穏やかになる一つの方法は、将来について不安になったり、過去の出来事に気を
捉われることなく、現在の瞬間にただ単に心を留めていることです。
経験を起こるままにしておき、その状態にただあることで、私たちはいかなる
状態にでもリラックスすることができます。(37)
新しく手に入れた貴重な財産も次第にその魅力を失ってしまいます。
新しい愛の芽生えも私たちが相手の性癖を知ってゆくほど冷めてしまいます。
私たちが一番希望を抱く自分の子供でさえも期待にそぐわなくなるでしょう。
・・・私たちは砂漠の中で蜃気楼を追って走っているかのようです。
私たちは走れば走るほど熱くなります。
日照りが続きエネルギーを使い尽くせば尽くすほど、
蜃気楼は鮮やかに現れてきます。走ることそれ自体が切望を強固なものに
するようです。(48)
自己観察を刺激する助けとなる簡単ないくつかのテクニックがあります。
例えば、「はい」とか、「こんにちは」というような一日に何回も使うような
言葉を選んで、一日か二日間、しばらくその反対の言葉に代えて用います。
そしてあなたの反応を注意深く見つめてゆきます。(31)
息を吸うときに、心の中であらゆる知識が身体と心に吸い込まれていくことを
観想しながら、オームと唱えます。宇宙全体がオームの広がりの中に
溶けてゆきます。呼吸が身体に保留されている瞬間に、黙ってアーと唱えます。
この音節は宇宙のエネルギーを静かで開かれた領域へと変換します。
次に、息を吐くとき、静かにフームと唱えます。
ふーむとともに、目覚めたエネルギーは宇宙の中へ流れ帰っていき、
あらゆる方向にその恩恵を広めます。(69-69)
マントラは、微細なエネルギーに集中し、それを転換するために用いられてきた技法です。(71)