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睨まれると石化する蛇と怪鳥ロックに守られるダイヤモンドの谷の伝説

千夜一夜物語アレクサンドロス大王の伝説、東方見聞録にでてくる有名なダイヤモンドの谷の伝説の話です。

 

蛇と鷲によって守られているダイヤモンドの谷の伝説

 

この伝説によると、黒海北方の砂漠に、深くて足を踏み入れることのできない峡谷があるという。
その谷底にはダイヤモンドが数多く落ちているが、ヘビとワシが人びとを寄せつけぬよう守っていた。
ある国の領主がそのダイヤモンドを手に入れようと召使を派遣したとき、手ぶらで帰って罰せられることを恐れた召使たちは、一計をめぐらせた。
出典 ダイヤモンドの谷の伝説|yumekoのお気楽ブログ - 店長の部屋Plus+

 

ダイヤモンドの谷の伝説|yumekoのお気楽ブログ - 店長の部屋Plus+

 

 

 

その他にもダイヤモンドの谷を眼力の強い蛇が守っていて、その蛇ににらまれると石にされる等の伝説も生まれました。
出典 ダイヤモンドのお手入れ方法を教えてください | 銀座の結婚指輪・婚約指輪BRIDGE

 

ダイヤモンドのお手入れ方法を教えてください | 銀座の結婚指輪・婚約指輪BRIDGE

 


出典 www.gettyimages.com

 

千夜一夜物語シンドバッドの冒険にもでてくる「ダイヤモンドの谷」

 

インドのある地方にダイヤモンドが数多く落ちているという谷がありました。ところがその谷はとても険しく深い上に、へびとワシが人を寄せ付けないように守っていました。
あるとき、地方の王が召使いにダイヤモンドを取ってくるように命じます。そこで彼らは殺した羊の肉を谷に投げ込み、ワシに肉を拾わせます。
その肉にはダイヤモンドがたくさんついていました。ワシの巣を突き止めダイヤモンドを回収したという話です。これは『シンドバッドの冒険』にも物語として掲載されています。
出典 ダイヤモンドにまつわる伝説の数々 | なんぼや

 

ダイヤモンドにまつわる伝説の数々 | なんぼや

 

これがいわゆる「船乗りシンドバッドの冒険譚」。
最初はクジラの島に行き着いて、知らずにその背中をナイフで刺しちゃったから、クジラが怒ってさあ大変。
結局タルにしがみついて、一人漂流するハメになり、ロック鳥という巨大な鳥の島へ。
故郷へ帰るために、ロック鳥の足へしがみつき、どこかの谷へ下りたものの、そこは蛇の巣窟。
しかし、谷底にはダイヤモンドの絨毯。すばらしいものばかり。

どうかしてこの谷から抜け出せないかと思案しているところへ、目の前に羊の生肉が降ってくる。
落ちた勢いで生肉にダイヤモンドが刺さって、それをロック鳥が餌と思い、拾い上げたところを狙って
人間が手に入れるというという作戦のようだ。
これだ!とばかりにシンドバッドは生肉に体をくくりつける。

ロック鳥がやってきて、上手い具合に空中へ舞い上がった。
どうやって降りようかと思案しているときに、ドラや鐘の音がやかましく響いた。
驚いたロック鳥は肉を離してしまう。まっさかさまに下へ落ちていったシンドバッドだけれど、
なんとか木の枝に引っかかることができ、一命を取り留めた。
出典 シンドバッドの冒険 - 本漬け。~有名な本を読み漁れ!~

 

シンドバッドの冒険 - 本漬け。~有名な本を読み漁れ!~

 

シンドバッドの冒険 千夜一夜物語 <福娘童話集 きょうの世界昔話>

 


出典 www.amazon.co.jp

 

アレキサンドロス大王の伝説にも登場

 

史上空前の超大国マケドニア帝国をつくったアレキサンダー大王にもそうした伝説があります。
大王がインド遠征を行った際、深い穴の底にダイヤモンドを見つけます。大王は穴の中に羊の肉片を落とします。すると鷲が穴の中に入り、その肉片をつかんで巣に持ち帰りました。この際、肉片にダイヤモンドが刺さっているわけです。
大王は鷲の巣からダイヤモンドを回収した、という伝説です。
出典 深い谷底に転がるダイヤモンドを回収する伝説

 

補記:7世紀頃に成立したとみられる「東方もの」のひとつ、「アレクサンドロス大王からアリストテレス宛の手紙」には、ヨルダン渓谷に住む蛇の話がある。この蛇たちは首のところに宝石を蔵している。その宝石はエメラルドである。蛇の目はその宝石の光を集めることで光っているという。(ちなみにルビーが夜に光るという俗信があったことをうかがわせる記述もある)
出典 ダイヤモンドの話3

 

深い谷底に転がるダイヤモンドを回収する伝説

 


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怪鳥ロックとルフ鳥

 

ここで述べるルフ鳥は想像上の動物などではなく、鷲に似た巨大な怪鳥として存在していたことが信じられており、その卵の中身や雛、雌雄、またその肉なども扱われているほどに現実的存在となっている。現在では絶滅はしてしまった巨鳥と解されている。現実に存在していた巨鳥として、明らかな例の一つは、マダガスカル島でその遺骨が発見されたダチョウをさらに大型化したエピオルニスなどもそうした類の鳥と見做されている。
出典 巨鳥・怪鳥 ルフ鳥 al-Rukhkh (1) | 夜の旅人 研究ブログ

 

巨鳥・怪鳥 ルフ鳥 al-Rukhkh (1) | 夜の旅人 研究ブログ

 

マルコ・ポーロ「東方見聞録」に同じ伝説がある

 

これだけだとおとぎ話のように感じるかも知れませんが、
 同じような話が、マルコポーロの有名な「東方見聞録」にも出て来ます。
 そのモグダシオ島(マダガスカル島ソマリランドの記述が混ざるとの事です。)の条で、
 島の住民が「ルク」と呼ぶ、両翼の幅45mの怪鳥グリフォーンについて述べていて、
 ムトフィリ王国では、シンドバットに述べられたと同じ方法で、
 ダイヤモンドを採取していると述べられているとの事です。
 このムトフィリ王国は、南インドのハイデラバード東北のワランゴールを都とする
 テリンガーナ王国を指しているようです。

 マルコポーロももどこかでこの話を聞いたのでしょう。
 両方に載っていたとしても、信じられませんね。
出典 ダイヤモンドの採取 - 天然居士のとっておきの話

 

ダイヤモンドの採取 - 天然居士のとっておきの話

 

モグダシオ島

 

インドの宝石 ダイヤモンド

 

平凡社東洋文庫に入っている『東方見聞録』には、「モグダシオとは、ソコトラ島の南方約千マイルにある島である」と書かれています。このモグダシオ(Mogedaxo)がマダガスカルを指していると考えられますが、この地名は、異本によって異なっているようです。Madeisgascar、Madeigascar、Mogdaxo、Magastar、Mogelasio――いずれも、マダガスカルに通じているように思います。ただし、マルコ・ポーロの記述は、今でいうマダガスカルについてのことではなく、ソマリアの都市モガディシュ(Mogadishu)についての情報をまじえているといわれます。
出典 マダガスカルという地名の由来: マダガスカルへの扉

 

マダガスカルという地名の由来: マダガスカルへの扉

 

ムトフィリ王国

 

ある山中に大きな深い谷があり、谷底には多くのダイヤモンドが転がっている。ここには大粒で質の良いダイヤがある。けれども、あまりに険しいため、誰も谷底へ下りてゆけない。仮に下りられたとしても、そこは蛇の巣で、群がる毒蛇に、たちまち噛みつかれてしまう。そこで、ダイヤ採りの人々は、なるべく脂肪の少ない肉をもってゆき、谷底へ投げ込む。この辺りには白鷲がたくさんいて、山の中で獲物をあさり、蛇を食べているのだが、肉が投げ込まれるのを見ると、目ざとく舞い下りて掴み上げ、岩の上に運んでつつきはじめる。見張り役は、鷲が岩にとまるやいなや、大声をあげて追い払い、飛び去ったあとへ駆けつける。驚いた鷲が残していった肉には、谷底にあったダイヤモンドがいっぱい突き刺さっているから、それを集めるのである。
出典 ダイヤモンドの話3

 

注2:ムトフィリは港の名前。本当の国名は、テリンガーナ王国。今のハイデラバード北東方にあるワランゴールを首都とする。後のゴルコンダ王国という。
出典 ダイヤモンドの話3

 

補記2:地中に棲む(毒)蛇が金銀の鉱脈や地中の宝を守っているという信仰は、いつどこで始まったか定かでないが、ヨーロッパではずっと後々まで続き、ゲーテも「ファウスト」の中で採用している。錬金術的には、地中の宝物を手にいれるために(奸智に長けた)ヘビの試練をくぐりぬけなければならない。
出典 ダイヤモンドの話3

 

ダイヤモンドの話3