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14世紀のペスト(黒死病)大流行が社会に及ぼした影響まとめ

14世紀のペストの流行が社会に及ぼした影響をまとめてみました。

 

▽ ペスト流行の流行

 

14世紀中ごろ、ヨーロッパで大流行した疫病は黒死病と言われ、ペストと考えられる。百年戦争の最中であった西ヨーロッパでは人口の3分の1が死んだと言われ、人口減少から封建社会の変質の一つの要因となった。人類の歴史上最大の疫病の世界的、爆発的発生(パンデミック)であって、その後もたびたび世界的な流行があった。
出典 黒死病/ペストの流行

 

ペスト - Wikipedia

 

▽ ペスト菌を運んだのは十字軍

 

ペストの大流行の発生源は解っていないが、ペスト菌を媒介するノミがクマネズミから人間に移り、伝染させる。クマネズミはもともとヨーロッパにいなかったものが、十字軍の船にまぎれ込んで西アジアからヨーロッパに移り住んできたのだという。
出典 黒死病/ペストの流行

 

十字軍 - Wikipedia

 

▽ ユダヤ人の迫害の引き金になった

 

ヨーロッパにおけるユダヤ人迫害は早くから始まり、13世紀にもイギリスやスペインで大規模な追放や殺害が起こっていたが、黒死病の大流行がさらに拍車をかけた。最初の記録は1348年のジュネーヴに見られるが、「ユダヤ人の受難は、ペストの流行の如き観を呈し」、さらに「伝染病の災禍を凌ぐ激しさ」で全ヨーロッパに広がった。
出典 黒死病/ペストの流行

 

ユダヤ人

 

ユダヤ人 - Wikipedia

 

▽ ボッカチオ「デカメロン」とペストの関係

 

デカメロン』はボッカチォが1348~53年の間に書いた物語集で、『十日物語』とも言われる。ペストの流行から逃れてある邸宅にひきこもったフィレンツェの10人の男女が10日間にわたり、1夜にそれぞれが1話ずつ退屈しのぎの話をする形式をとっている。
出典 黒死病/ペストの流行

 

黒死病/ペストの流行

 

デカメロン - Wikipedia

 

▽ メメント・モリ(死を想え)、死の舞踏

 

特徴的なことはそこに描かれた人人は、ローマ教皇や皇帝、国王、王女から枢機卿、司祭などの聖職者、騎士や領主、商人や農民、さらに子供までが含まれており、死はそれらの身分や立場を超えて平等にやってくることを示している。
出典 死の舞踏

 

死の舞踏

 

死の勝利は広義では死の舞踏に含まれますが、死の勝利は死が鎌を振りかざし、人々を襲っている図になります。死の凱旋とも呼ばれ、有名な作品はピーテル・ブリューゲルが描いたもので、死神が稲を刈るかのように人々の命を奪っています。戦争と死をマッチングした恐ろしいテーマです。
出典 【絵画10点】 死の舞踏と死の勝利 ― 恐怖に染まった狂気の民衆は、仄暗い街で踊る : メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

 

【絵画10点】 死の舞踏と死の勝利 ― 恐怖に染まった狂気の民衆は、仄暗い街で踊る : メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

 

▽ 農奴の待遇改善と封建反動

 

黒死病の大流行による農奴・農民の人口の激減は、彼らの待遇を良くしなければならなくなり、また労賃も値上がりした。そのためやがて領主は農奴にたいする強制を強めるようになった
出典 黒死病/ペストの流行

 

封建反動

 

▽ 農奴解放

 

それに対して農奴はさらに反抗して農奴解放による自由を求めるようになった(つまり社会的矛盾が深刻になった)。この動きは農民一揆として長期的に続き、徐々に農奴から解放され、自由を獲得したて自営農民となるものも現れた。
出典 黒死病/ペストの流行

 

▽ パンデミックが社会の変化を「加速」させる

 

このペストは人口が激減するだけでなく、ヨーロッパ世界の社会構造の変化を「加速」させることになる。
出典 パンデミックの歴史が見せる未来の姿【vol.2】 - THINK ABOUT - 知見にふれる、未来がひらく

 

もともとペスト以前からユダヤ人は迫害されていたのだが、ペストによって拍車がかかり、公然の大義を与えるかたちになってしまったのである
出典 パンデミックの歴史が見せる未来の姿【vol.2】 - THINK ABOUT - 知見にふれる、未来がひらく

 

一般に「ペストが封建体制を崩壊させた」と説明されることが多いが、それは正しい言い方ではない。そのころすでに、封建体制は崩壊しかけていたのだ。
出典 パンデミックの歴史が見せる未来の姿【vol.2】 - THINK ABOUT - 知見にふれる、未来がひらく

 

生産力の限界まで人口を伸ばしたために、少しの天候不順や不作が起これば深刻な飢饉に陥る極めて不安定な状態になってしまっていた。現に1315年から17年にかけて大飢饉がヨーロッパを襲っている。既存の社会システムの耐用年数が、もはや限界を迎えてしまっていたのである。
出典 パンデミックの歴史が見せる未来の姿【vol.2】 - THINK ABOUT - 知見にふれる、未来がひらく

 

パンデミックの歴史が見せる未来の姿【vol.2】 - THINK ABOUT - 知見にふれる、未来がひらく

 

▽ アフターコロナの時代

 

歴史はそれでは社会は何も変わらないことを、例示をもって教えている。新型コロナによって新しく起こったことなどひとつもない。すべては潜在的に存在しており、それが「加速」し、「露呈」したに過ぎないのだ。
出典 パンデミックの歴史が見せる未来の姿【vol.2】 - THINK ABOUT - 知見にふれる、未来がひらく