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「ウイルスと共生する」とは、どういうことなのか

ウイルスとの共生に関する時期をまとめました。

 

▽ ウイルスの効果的な生存戦略は、宿主と共存すること

 

オーストラリアでは1950年にアナウサギ
駆除するためにミクソーマウイルスを導入する。

1950年当時は、兎粘液腫によるアナウサギ
致死率は99%であった。

しかし数年後にはミクソーマウイルスが変化して弱毒化し、
またアナウサギもミクソーマウイルスに対する耐性を獲得
するようになったため致死率は50%まで下がる。

ミクソーマウイルスは自分自身が生き伸びるために
宿主であるアナウサギを生かす必要があり、
弱毒化したと考えられる。
出典 兎粘液腫 - Wikipedia

 

1950年、野ウサギ退治のためにウサギ粘液腫ウイルスがヨーロッパから輸入され放出されました。これは、蚊が媒介するウイルスで、ウサギでは100%近い死亡率を示します。このウイルスが放出された最初の年に野ウサギのほとんどが全滅し、生き残ったのは0.2%足らずでした。ところが青の点線の死亡率の変化に見られるように、6年後には死亡率は20%近くまで低下しました。80%位が生き残るようになってしまいました。
出典 12.「 ウイルスと共に生きる」 | 一般社団法人 予防衛生協会

 

兎粘液腫 - Wikipedia

 

▽ 赤の女王仮説 進化し続けなければ、絶滅する

 

「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する人物で、彼女が作中で発した「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない(It takes all the running you can do, to keep in the same place.)」という台詞から、種・個体・遺伝子が生き残るためには進化し続けなければならないことの比喩として用いられている。
出典 赤の女王仮説 - Wikipedia

 

進化生物学では、赤の女王仮説というのがあります。これはルイス・キャロルの有名な物語「鏡の国のアリス」の中で、赤の女王がいくら走っても、景色が追いかけてくるために、女王は永遠に同じ場所にとどまっているという話しにもとづいたもので、複数の集団がいっしょに競いあって存在する場合、適応と、それに対する適応は、両方が存続できるように起こらなければならないことを示したものです。
出典 12.「 ウイルスと共に生きる」 | 一般社団法人 予防衛生協会

 

赤の女王仮説 - Wikipedia

 

生物の種は絶えず進化していなければ絶滅するという仮説
出典 赤の女王仮説(あかのじょおうかせつ)とは - コトバンク

 

赤の女王仮説(あかのじょおうかせつ)とは - コトバンク

 

▽ 自然宿主の中では、ウイルスと宿主が共存

 

細菌やウイルスなどの寄生体は、通常、自然宿主に対しては無害だが、他の生物に侵入すると疾病の原因となることがある。
出典 自然宿主(しぜんしゅくしゅ)の意味 - goo国語辞書

 

自然宿主(しぜんしゅくしゅ)の意味 - goo国語辞書

 

▽ 免疫反応が、ウイルスの変異を促す

 

カモと共存しているトリインフルエンザウイルスでは、ほとんど変異は起きていません。

ところが、ニワトリに感染すると、本来の自然宿主ではないニワトリは抗体を産生してウイルスを排除しようとします。それに対してウイルスは変異を起こし抗体に抵抗性のウイルスが生まれてきます。抗体の選択圧による変異です。
出典 12.「 ウイルスと共に生きる」 | 一般社団法人 予防衛生協会

 

▽ 1970年代から注目され始めた「エマージング・ウイルス」

 

突然流行する感染症の原因となる未知のウイルスのこと。天然痘やポリオなど従来の感染症の克服の見通しが立った1970年代以降、世界各地で報告が相次いでいる。
出典 エマージングウイルス(新興ウイルス) | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

 

エマージングウイルス(新興ウイルス) | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

 

このエマージング・ウイルス感染症は、私たち人間が足を踏み入れるべきでない所に入り込んで、そこに住む妖怪というウイルスが、自然の中でバランスをとって生きていたのを乱してしまった。そのことで、妖怪というウイルスが怒って、私たちの命を狙ったのではないかと思う。
出典 エマージング・ウイルス感染症

 

エマージング・ウイルス感染症

 

▽ 「ウイルスが生物か」の定義は、「生物とは何か」の定義

 

ウイルスが生物か無生物かといった議論は、生物の定義はなにかという問題につながります。新しい科学知見が蓄積してきている現在、生物の定義の議論は容易ではないと思います。私は、この表にまとめたように、ウイルスは細胞を持たない生命体という視点でとらえるのが、ウイルスの存在意義を知る上で重要と考えています。
出典 12.「 ウイルスと共に生きる」 | 一般社団法人 予防衛生協会

 

生物の起源

 

▽ ウイルスの奥深い世界

 

ウイルスの起源については、いろいろな議論がありますが、そのひとつに、ウイルスは地球上に現れた最初の生命体という見解があります。
出典 12.「 ウイルスと共に生きる」 | 一般社団法人 予防衛生協会

 

次に、ウイルスは進化の原動力になってきたという見解です。

進化の過程を見ると、単なる変異では説明できない大きな変化が時折、起きています。これはウイルスが新しい遺伝子を運び込んだことによると考えるのが妥当です。
出典 12.「 ウイルスと共に生きる」 | 一般社団法人 予防衛生協会

 

12.「 ウイルスと共に生きる」 | 一般社団法人 予防衛生協会