NAVERまとめで作った記事の残骸を保存したものと読書の記録

NAVERまとめをエクスポートした記事と読書の記録

千一夜物語8巻(豊島与志雄ほか訳)

どうか頭痛に対する最上の護符をこしらえていただきたいと懇望した。するとバビロンの賢者は、まる七か月を費やして、星辰を調べあげ、とうとう、その七か月が終わると、彼はある安息の日を選んで、その貝殻の上に、この神秘に満ちた呪文の文字を書きこんだのだが、それは、あんたが私に売ったこの護符の両面に見られるとおりだ!(37)

 

スライマーン・ブニ・ダーウド(ダビデの子ソロモン)(お二人の上に祈りと平安あれ!)の印璽に刻まれたる、さまざまの御名の冷厳のおかげをもって(64)

 

人おのおのの天命は、その人が風より早く駆けようとも、その行き先々のどこにでもついてゆくもので、追われる身には休む暇とてないということを、彼は知らなかったのです。(102)

 

ところで、月の微笑は、今では運命のなすままになろうと観念して、ひと言も言わず、自分の気持ちをいかようにも表そうとはせずに、黙って連れていかれました。(121)

 

ハク!マク!バク!おお、卑しき金属よ、太陽はその功徳をもって汝を貫かれよかし。ハク!マク!バク!おお、卑しき金属よ、黄金の功徳、汝の不純を追い払えかし。ハク!マク!バク!おお、銅よ、汝黄金に変ぜよ。(283)

 

人おのおの、自分の首に結びつけられたおのれの宿命をもっております。(359)

 

あらゆる運命は成就されなければならないことは、御承知のとおりですけれど、また、十年生きるべき人は決して九年目に死ぬことはございません。(364)

 

お前がワク・ワク島に行くことはとうてい不可能じゃ。よしんば魔人の飛行騎兵全軍と、漂泊の彗星、旋回の遊星すべてが、お前を助けに来てくれるとも。事実、そのワク・ワク島とは、我が子よ、処女の娘子軍の住む島々で、そこはまさに、お前の妻耀き姫の父王、魔人国の王中の王が支配しておる。そしていまだかつて何人も行ったこともなければ、戻ってきたこともないそれらの島々は、お前の今いるここからは、七つの大海と七つの底なき谷と七つの頂なき山とによって、隔てられておる。(368)

 

汝いまだ母の胎内にて萌芽に過ぎざりし時、我は汝の運命を「我が正義」に従って形づくり、これを「我が幻視」に従って導けり。

されば、おお、被造物よ、もろもろの出来事をしてその赴くままに行かしめよ。汝はこれを阻むあたわず。

しかして、もし逆運の汝の頭上に下ることあらば、これを逸らす配慮は汝の天命に委ねよ。(419)