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「プリニウスの博物誌」に記録されている地震

古代バビロニアでは、地震と星の動きが関係しているという学説を唱えた人がいました。「プリニウスの博物誌」には、そのことが記録されています。

 

バビロニアでは数学や天文学が盛んだったが、地震や地面の亀裂などは星の力の影響だと考えられていたそうです。特に、火星、木星土星の三つの力が作用していると考えられていたと記録されています。

 

バビロニア占星術が発達していたことでも有名ですが、占星術では、太陽から離れた遠くの星ほど影響力が強い、という考え方があります。

当時は土星までの惑星しか観測されていなかったはずなので、土星木星、火星という地球の外側の惑星が影響力を及ぼす、と考えていたところは興味深いです。

 

現在は廃版になっていて入手できない「大地震の前兆」という本には次のように書いてありました。

 

バビロニア人たちによれば、これらの星(火星、木星土星)が太陽とともに進んでいるときとか太陽と一致しているときに起きるというのだ。

 

出典:大地震の前兆ー古代ローマ時代の地震から阪神大震災までの実例集

 

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記録によると、バビロニア人のアナクシマンドロスが、スパルタに大地震が起こると予測した直後に、大地震が発生し、タイゲトゥス山が崩れ落ちた、としています。

プリニウスは、これはアナクシマンドロスの「不滅の霊感」だとしています。

 

プリニウスは、地震での異常な現象を

「ある所では壁をひっくり返し、あるところではそれを引き落としてぱっくり口を開けさせる。またある所では多くの岩塊を突き上げ、またあるところでは川を湧き出させ、時には火や温泉を噴出させる」

こう恐ろしげに「博物誌」に記している。

 

プリニウスによれば、地震が発生するとき、風は凪いでおり、空はまったく静かで、鳥たちでさえ息をひそめてしまうという。

そして、風邪が凪いでいるとき、風は地脈のなかに閉じ込められ、地表の亀裂は閉じ込められた気流が自由に飛び出そうとして起こるという。彼によれば、それは電光を爆発させるのと変わらないというのだ。

閉じ込められた気流が自由に飛び出そうとする・・・。それは地殻にためられたエネルギーを示唆している。

 

出典:大地震の前兆ー古代ローマ時代の地震から阪神大震災までの実例集

 

この本には、アリストテレス地震に関する理論も書いてありました。

少し長くなりますが、現在は入手不可能な本なので、記録として残しておこうと思います。

 

そんな彼(アリストテレス)は地震にも強い関心を示し、「震気」(プネウマ)という理論を編み出した。この震気を考え出したのは同じ古代の学者、アナクサゴラスやアケラオスだったが、アリストテレスは2人の考えをさらに発展させ、理論にまで高めたのだ。

彼の理論によれば、地震の出発点は大地から放出される震気だということになる。震気は水蒸気に似たガスの一種と考えられている。ただし、水蒸気と違うのは乾燥した状態であり、生温かく、弾力性を持っていることだ。

そんな震気が空気中に現れると、雲や霧が発生し、太陽が薄暗くなる。また、明け方に地震が発生する場合、空気が異常に冷え、あたりには静寂が広がるという。

アリストテレスによれば、そこまでは地震への準備段階で、そのうち突然に震気が地中に戻り、この際に発生する激しい圧力が大地を揺れ動かすというのだ。

地震がおさまれば、震気は地中から抜け出し、ふたたび大気の中に拡散していく。

 

「動物は地震を予知する」の著者、ヘルムート・トリブッチはこういう。

「この理論の中で震気が引き起こすいろいろな現象は、地震そのものを除けば、古今東西繰り返し大気中に目撃されてきた前兆現象にそっくりである」(渡辺正訳)

出典:大地震の前兆ー古代ローマ時代の地震から阪神大震災までの実例集

 

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