ホメロスの「イリアス物語」とドローンの語源
ホメロスの「イーリアス物語」を読んでいます
先日から、ずっと読みたかったホメロスの「イーリアス」というトロイヤ戦争(ギリシャとトロイヤの戦争)の物語を読んでいます。
rinkotoさんによる写真ACからの写真 (トロイヤ遺跡遠景)
トロイヤ戦争とか、トロイの木馬、アキレウス、オデッセウスなどの言葉はなんとなく聞いたことはあるけど、どんな話かは知らない、という方が多いのではないでしょう。
だいたい海外の古典の本は、難解で読みづらいものですが、岩波少年文庫の本で読んでいるので、読みやすいです。海外の古典は読んでみたいけど、難しいからなーという方は、岩波少年文庫はお勧めです。
「ドローン」という名前のスパイが登場する。
途中まで読み進めると、ちょい役で「ドローン」という人物が出てきます。
トロイヤのスパイで、夜陰にまぎれてギリシャ軍の偵察に行って、ディオメデスとオデッセウスとあっけなく殺されてしまう、という人物です。
もしかして、ドローンの語源って、イリアスからきてるのかな、と思って、ちょっと調べてみました。
① ドローンには、雄のハチという意味がある
② もともとイギリスの訓練用の無人機「ターゲットドローン」が由来
ドローンの由来は?興味深い意外な歴史 | DRONE BORG
ちなみに、「イーリアス物語」(岩波少年文庫)のドローンの解説は、次のようなものです。(368ページ)
ヘクトールがギリシャ軍の野営陣地をさぐるためにつかわしたスパイ。逆にオデッセウスとディオメーデースにとらえられて、殺された。
最初読んだときに、なんでまた、こんな縁起でもない人物の名前を、商品名にしたんだろうか、と思ったんですが、もともと軍事訓練用の標的になる無人機だった、ということなら、話の内容として、なるほどなあ、という感じがします。
トロイヤ戦争はホメロスの創作だと考えられていた
トロイヤ遺跡といえば、シュリーマンが発掘したことが有名ですが、当初は、ホメロスの物語は、空想上のものと考えられていたのですが、シュリーマンがそれは実際の物語なのだ、という信念のもとに発掘して発見したのは有名な話です。
「イーリアス物語」のまえがきには、このような文章が載っていました。
ホメーロスがこれらの叙事詩を物語ったのは、いまからおよそ三千年もむかし―すくなくとも、トロイアが陥落してから四百年後のことでしたから、これらの叙事詩に耳をかたむけた人たちは、その物語についても、そこに登場する人物についても、よく知りつくてしていたことでしょう。
今から少なくとも3,400年前にこんな物語があって、それが語り継がれ、読み継がれているんだなあ、と思うと、人間の歴史の壮大さを感じます。