人口の減少と出版・翻訳などの関係
2020年1月1日時点の住民基本台帳人口は、前年から日本人住民が50万減少し、外国人住民が20万人増加して、1億2713万人8033人となった。2009年をピークに日本は人口減社会に突入しているが、日本人人口の減少幅が50万人を超えるのは初めて。そのインパクトを分かりやすく表現するとすれば、鳥取県の人口56万1175人(日本人+外国人)に近い人口が消滅したことになる。
2019年は、日本人(日本民族)の人口が50万人以上の減少になりました。
人口が減るなんて・・・というネガティブイメージしかないですが、出版や翻訳という面で考えてみると、面白い話があります。
たとえば、人口が1000万人ぐらいしかいない国でその国独自の言語を使っている人は、自国語で本が読めない、という話です。
出版や翻訳、という面でみると、商業ベースにのせていかないといかないので、「その言語」を使う人の数が少なすぎると、そもそも商業ベースに乗らないので、出版や翻訳ができない、という話です。
小国で自国語の本が読めない国というは結構多いようです。
海外でいう海外留学は、英語が話せるとビジネスに有利とかそういうことではなくて、そもそも自国での出版や研究ができないから、外国をまず習得しないといけない、という話もあるようです。
公用語が英語やフランス語、スペイン語のような、数か国で話されている言語の場合は、その言語で出版しても、その国でしか売れない、というわけではないので、商業ベースにのりやすいといえます。
日本語、韓国語、中国語というのは、基本的には、日本、韓国、中国でしか使えない言語なので、その国の人口が、そのまま出版や翻訳、ひいては学問や研究に影響を及ぼすとも言えます。
ちなみに、日本の人口は、2040年には1億1千万人、2065年には8800万人程度になると予測されています。
人口統計資料(2017改訂)へのリンク
2040年に1億1000万人で、今が1億2700万人ということは、20年で1700万人減少、およそ年85万人減少になりますが、まだ日本語で本が読めなくなる、というようなことはなさそうです。